The Oxford RealFarmingConference 2015

fungi/bacteriar ratio

今年の3月、ニュースフィードに流れてきたものをYouTubeで見てたら、たんじゅん農法の話をしているのかと思うような内容で、思わず食いついてしまいました。
2015年1月、イギリスのオックスフォードで開催された、有機農法のカンファランス(会議)のエレイン・インガム博士のKeynote(基調講演)です。

The Oxford Real Farming Conference 2015

The Roots of Your Profits – Dr Elaine Ingham

土壌に微生物を戻そう

化学肥料は土壌中の微生物を殺し、農薬はもっと多くの微生物を殺す。しかも先に復活するのは、有用微生物よりも、そうでない方。
無機肥料を撒いても、80%は消失し、土壌には留まらない。無機肥料を与え続ければ微生物を殺してしまい、養分を土壌に保持できなくなり、下流域にも損害を与えることになる。

土壌とは

土壌学者、ハンス・ジェニーの定義する土壌を構成するもの。
1 微生物
2 微生物を育てるための有機物
3 砂・シルト(沈泥)・粘土・石・砂利といった、母材

1986年以前、ほとんどの科学者は、土壌微生物には役割があり、植物の健康を保っているとは、考えていなかった。

植物は光合成を行い糖を生産し、その50%以上は根系こんけい(root system)に運ばれ、浸出液となって土壌中の有用な微生物の餌になる。有用な微生物、バクテリアや菌類は植物の根の周りで増殖し、植物を守っている。

微生物には空気が必要!

根系こんけい周辺のバクテリアや菌類は、好気性でないといけない根系こんけいに酸素が足りなくなると、病気が増え、pHを下げ、根が痛み、窒素、リン、硫黄はガスとなって土壌から離れていく。

また、バクテリアは接着剤を作り、土壌に微小な凝集体を作ってそこに住み、土壌溶液(雨水など)が来るとそこから可溶性の無機物の全てを取り込む。
菌類は長い糸を伸し、バクテリアが作った小さな凝集体を集め、肉眼でも見える程の大きな団粒にする。

水は団粒構造を浸透していく。16マイル(25.7495km) の深さまで浸透する。しかし途中に硬盤層があると、水はそこで妨げられ、土壌と一緒に下流に流れていく。
土壌微生物を減らすことをしなければ、侵食は起こらない。

植物は、光合成で作った糖分を根から出し、周りに集まってきたバクテリアや菌類に食べさせる。そのバクテリアを原虫が食べた時、バクテリアが保持していた養分の一部は原虫に取り込まれる。残りは土壌中に放出され、植物が吸収するという養分循環が行われている。

菌類は線虫や節足動物に食べられ、これが保持していた養分も根系こんけいの表面に放出されるので、植物は動くことなく必要な養分を吸収し、順調に育つことができる。

タンパク質が大体5,6%しかない一般的な牧草が、適切な微生物群を土壌に入れると、最大で25,26%に増えることが分かっている。もっと高品質な牛乳や作物で、必要な栄養は得られれば、ビタミン剤やサプリメント剤を取る必要はない。そのためには土壌に微生物を入れる必要が有る。

バクテリアや菌類を食べる、原虫や線虫や節足動物が増えすぎることはない。大型の節足動物などの捕食者がいるから。それらにもミミズ、蜘蛛、鳥、ネズミなどの捕食者がいる。適切なバランスが保たれ、栄養循環が行われている。

その頂点にいるのが人間。我々の役目はこの自然の相互作用を壊さず、保全すること。それは生産者の負担にはならない。土壌中に微生物を正しく入れていれば、害虫、病気、収量不足は起きないから。

生産者の人たちへ

雑草を取り除き、土を耕し、害虫を処分し続ける代わりに、ノートを取り、自然のメッセージを読み取る能力を身につけましょう。

微生物を土に戻し、そこで働かせれば、人間はそれほど働かなくてもよくなるはず。自然は人間が居なくても平気。でも人間が存続するためには自然が必要。そのことを忘れず、自然の作った養分循環のシステムに微生物を戻そう。

微生物を土壌に増やすためには、コンポストを作るのが良い。うまく行えば21日で完成する。コンポストを土壌に入れたら、あとは土壌中の微生物を維持すればよい。植物の根系こんけいで増やし、収穫残渣を分解させればよい。

作物の収穫残渣がいつまでも分解されずに残っているのは、土壌に微生物がいないという、自然からのメッセージ。

コンポスト

コンポストは植物の肥料ではなく、有用な微生物やたね菌を増やすために作るもの。土壌に1回入れるだけで済むかもしれない。(通常は数年、数回必要)。

養分保持(nutrient retention)

養分(窒素、カルシウム、リン、マグネシウム・・・・)の土壌中の平均量は、作物が今後、数百年に渡って使う量よりも、ずっと多い。しかし土壌中の養分のほとんどは、植物が吸収可能な状態では存在しておらず、可溶性の養分は、1%以下。

それをバクテリアや菌類が、酸や酵素を作り、結晶構造になっている石や砂やシルト(沈泥)から養分を可溶化させ、体に取り込んでいる。それをバクテリアや菌類が原虫や線虫や極小節足動物やミミズ、蜘蛛などに食べられた時、植物が吸収できる状態で放出される、というしくみになっている。つまり石や砂や粘土がなくなってしまうまで、農地に無機肥料を撒いたり、肥やしを入れる必要はない。

なぜ無機肥料を使うようになったかというと、土壌に養分を取り込み、植物が使える状態にするというメカニズムを壊しているから。農業をするようになり、土壌中の微生物にダメージを与えるようになって、養分が欠けるようになった。微生物を戻すことが必要。

土壌サンプルの分析依頼をしても、可溶性養分の量しか教えてくれない。それで生産者は慌てて、肥料をあれこれ買って来て、土壌に入れる。

土壌化学の検査結果の、交換性養分の量を見ても、それは飽和に基づいた交換性栄養素だけ。カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、4つの栄養素が、全てであるかのようだが、実際は違う。
例えば、ヒ素も必須栄養素だと思う。でも必須栄養素のリストには載っていない。知られていない栄養素は、他にもあるだろう。

交換性栄養素の交換性とは、これらの養分は砂、シルト(沈泥)、粘土、有機物や微生物の表面に付いているということ。土壌にもっと微生物や有機物を入れれば、もっと交換性栄養素を保持することになる。粘土も柔らかい塊のようになる。

また、可溶性の栄養素は、そんなに多くは必要ない。植物が吸収できるだけの少量でよい。植物が成長している間ずっと、窒素だけでなく、リン、硫黄、ホウ素、亜鉛等々、全ての栄養素をバランスを取りながら、植物が吸収できるだけでよい。
土壌中に微生物をバランスよく増やしたら、無機肥料や肥やしを土壌に撒くことは忘れてよい。しかし最初にコンポストを、3年から5年入れる必要はあるだろう。

可溶性の栄養素は、生育期間の初期に与えられるが、その80%は流され、失い、下流域に害を与えるだけだから、土壌分析に重要な情報はないと言える。

重要な情報とは、どんな生態か。根茎で栄養素を放出する微生物がいるか。微生物は植物にとって関係ない、根系こんけいの外に行ってしまっていないか、といったこと。
観察すべきは、植物組織。植物組織検査では、植物が実際に何を吸収しているのか分かる。

土壌中の可溶性の栄養素と、植物のあらゆる時間におけるあらゆる箇所を比べた論文があるが、植物組織の栄養素の濃度と、土壌中の可溶性の栄養素の濃度には、全く関係がないことが分かった。
もし適切な微生物が土壌中にいれば、肥料をやっても変化はない。もし肥料を与えると植物に反応があるなら、「あなたの土壌には微生物がいません。」というメッセージ。
どの森林もリンの濃度は0.0001ppmしかない。でも植物組織の中には、リン酸塩の出入りがある。確認すべきことは、植物は必要な栄養素を吸収しているか、それは常に行われているか。養分循環が行われているかどうかだけ。

全ての植物が育つ、pHの幅は、5.5から11。アメリカのネバダ州にある、生産量第一位のアルファルファ地帯のpHは、11。しかし植物の根系こんけいは、7.0。それは植物がpHを変えていくから。植物の望む次第。植物がする通りにさせておけばよい。

微生物が土壌構造を作っていれば、雨が降ると、土壌溶液は適当な速度で移動し、それに従いバクテリアと菌類が可溶性の栄養素を吸って、全ての栄養素は微生物に保持される。水が土壌を通過することで、栄養素は保持され、水は完全に浄化される。土壌の底から出てきた水は、衛生的で、安全に飲むことができる。

しかし、もし微生物がいなければ、こうはならない。通常はどこかにある硬盤層にぶつかり、水はその下に移動できずに、土と一緒に横向きに丘を下って行く。
簡単な解決策は、コンポストを手に入れて、土壌中に微生物を戻すこと。コンポストが作るのが嫌なら、微生物の種菌を買うことができるけれど、高額。

土壌微生物のスライド(10〜13/35)の説明

1枚目の写真。線虫。牙も歯もない口。バクテリアを食べる。これは良い線虫。

2枚目の写真。コクサイ(球菌)の意味は丸いから。丸いバクテリアで、大きいものや小さいものがいる。マイクロアグリゲート(微小凝集体)。これらのバクテリアは砂、シルト(沈泥)、粘土、有機物をつなげていく。アグリゲート(凝集体)の中に、バクテリアがいる。

細かい濃い茶色はフミン酸。蜂蜜色のはフルボ酸。よい有機物があり、たくさんの凝集体があり、大きな凝集体や小さな凝集体があり、とてもよい土であったことが分かるが、この写真は事前警告を発している。

根は均一の直径でなければいけないが、一片が大きく噛みちぎられている。病気を起こす嫌気性の菌類が根系こんけいを攻撃していて、嫌気的になっている。
解決法は、好気的な構造を作り直すこと。

もう一つ、嫌気的であることを示すものが見える。繊毛を持った原虫、繊毛虫(ciliate)。しかし良い原虫の攻撃を受けている。

土壌中の酸素濃度が6ppmより下がると、嫌気的になり、繊毛虫を見るようになる。解決策は、酸素を土壌中に戻し、硬盤層に微生物を入れ、再構築させること。正しく処置すれば、約3日で立て直せる。

3枚目の写真。これらは菌類。菌糸体を見ると、均一な直径がずっとあって、良い菌類は直径が大きい。3 μmマイクロメータより大きれば良い。色つきの菌類はさらに良い。

悪い菌類は透明で、色がなく、直径が小さい。この写真では焦点が外れているが、根系こんけいを攻撃するフハイカビ、白腐敗菌がいる。これが根系こんけいで増えると、ほとんどの野菜は被害を受ける。フハイカビが問題を起こすのを予防するには、良い菌類が必要。

この土は、良い菌類が病気を起こすのを抑えているから、野菜を植えても根系こんけいに問題は起きないはず。しかしもし、殺虫剤を使ったら病気になるだろう。病気や害虫に対処するには、適切な微生物を土壌に入れること。

遷移せんい(succession)と、バクテリアと菌類の割合

作物の種類によって、適切な土壌はちがうので、遷移せんい(succession)という概念を知る必要がある。

十分な生態環境の撹乱かくらんが起きれば、土壌は裸地らちになり、何も育たなくなる。場合によっては、植物が生え始めるまで数年かかる。

最初、地球には生命体がなかった。最初に土壌食物網にやってきたのはバクテリア。とても初期の遷移せんいでは、10 μgマイクログラム のバクテリア、菌類はなし。

そのうち草が育つようになり、バクテリアとバクテリアを捕食する生き物だけが必要な、雑草のしゅの段階(stage)になる。ここでは窒素は、硝酸塩の形で多くある。バクテリアが、可溶性の無機態窒素を硝酸塩に変えるから。そして雑草によって作られた菌類の食べ物が少しできるようになる。

色んな種類の雑草ばかりが生えてる土地で、作物を収穫したいなら、コンポストを入れること。コンポストにはたくさんの良い菌類がいるから。

そうすればアブラナ属、コール(芽キャベツ、キャベツ、マスタード、ケール、ブロッコリー等々)やケール、水辺の作物、アスパラガスの様な、変遷の初期のしゅを育てる段階になる。

そのまま時が経つと、母なる自然は、もっと多くの菌類の食べ物を土壌に入れ、ポテトやトマト、ナス科の作物、人参やセロリといった野菜を育てるようになる。これらの野菜はもっと菌類とバクテリアを求め、養分循環は勢いを増し、野菜の全てが作れる段階になる。

その後も、母なる自然の手伝いもあり、菌類はバクテリアと同じ割合になり、高生産性の牧草のしゅを育てられるようになる。高い栄養素で、家畜を健康的に保てられるようになる。

我々の牧草地に来る牧草生産者は、牛が一般的に必要な牧草の、四分の一の量しか食べていないのを見て大変驚くが、5倍の栄養素が含まれていれば、食べる量は四分の一で済む。高栄養であれば人の食べる量も減る。サプリメントに頼らず、オーガニックの食事をしっかりとれば、あまり食べなくなるだろう。

こうやって、良い菌類の食べ物が土壌に入り、菌類のバイオマスを増やし続けると、バクテリアに代わって、菌類が支配する最終に到達する。

生産量の低い状態、雑草からつる性植物へ、低木へ、最終的には落葉樹林、そして最後に原生林(老齢林)となる。
アメリカのオリンピック半島は、熱帯雨林よりも上の、地球で一番生産性の高い森林系だが、そこの菌類のバイオマスは、1グラム当たり、70,000μgマイクログラム。その森の1グラムの80%は微生物。

一般的な農学者達は、雑草の段階(stage)を扱っているので、この話をしても信じないだろう。土壌を雑草が生える状態にし、病気や問題のある生き物を、維持している。水や栄養素を保持していない。

このように変遷を見れば、菌類とバクテリアの適切なバランスが何か分かる。これを利用して、自分の望む野菜を育てる段階(stage)にするため、土壌の菌類とバクテリアのバイオマスの割合をいくつにする必要があるか考えると良い。

スライド(13〜16/35)より
英語 日本語 バクテリア/菌類
菌類/バクテリア(μg)*
バクテリア/菌類
菌類/バクテリア
Bare Parent Material 裸地 母材のみ 0 0
Weeds 雑草 10/100 0.1
Early-grasses 早期の草 0.3
250/500 0.5
Mid-grasses 中期の草 0.75
Late successional grasses 後期変遷の草 600/600 1
800/500 1.6
Shrubs, vines, bushes 蔓植物、低木、潅木 2-5
Deciduous Trees 落葉樹 7000/700 5-100
Old-growth forests 原生林(老齢林) 100-1000
*菌類/バクテリア(μg)は、1gあたりと思います。

例えば、イチゴを育てたかったとすると、自然の中で見つけられるイチゴは、森の低木層。イチゴを健康的に育てようと思ったら菌類が優勢でないといけない。
トマトの場合は、まだバクテリアが優勢の段階。トマトはアンモニウムより硝酸塩がより必要。

フランスのシディックや、ユタ州立大学のジョン・スタウトの調査によって、1995年に出版された論文によると、森林系は、大部分がアンモニウムでないといけない。

もし果樹園や植林地といった森林系にすこしでも硝酸塩があれば、もし木や低木を育てたいのに、アンモニウムより硝酸塩が多ければ、病気を招く。

肥料会社メーカーの営業マンは硝酸塩を果樹園や収穫の低い土地や牧草地に撒かないといけない、と言っている。もし雑草の段階以外で硝酸塩を撒けば、もし硝酸塩の肥料を撒いて、この変遷から外れてしまえば、問題が起きる。

水稲は、窒素を固定するたくさんのアカウキクサや藻類やバクテリアが根系こんけいに必要。でも土壌を排水したら、米を収穫する時期になると、お米は水辺のシステムから、草(後期変遷の草)のシステムにした方がよいだろう。
なのでお米で一番大切なことは、土壌が乾いていくにしたがい、もっとたくさんの菌類を戻してやること。

もし陸稲場合、窒素を固定する下層に草を生やしておいた方が良い。常に窒素を固定できるよう、常に下層に草を数種類生やしておいた方がよいだろう。タイで、現地の人たちと働いた時、収穫を150%にした。

じゃがいもは、ほんの少しバクテリア側。バクテリアがだいたい500ppm、菌類はだいたい400ppmまで。これが本当にポテトを育てる段階(stage)。雑草なし、害虫なし、病気なし。最高の収穫高。オレゴンでも色々行い、100%から120%収穫量を上げた。

ところで、母なる自然は原生林(老齢林)へ向けて変遷しているのに、なぜこの地球の全てが原生林(老齢林)にはなっていないのか。それは撹乱かくらん(disterbance)が起きるから。洪水、山火事、異常な天気。撹乱かくらん遷移せんいを逆戻りさせている。

洪水が作物の後期、バクテリアや菌類がとても早く増殖している時期に起きると、これらの生き物は土壌中の全ての酸素を使い果たし、本当に初期の段階(stage)に戻ってしまう。それを自然が立て直す。その次に家畜の群れがやってきて、硬盤ができはじめ、それを自然が構築し直す。そんな繰り返しが起きている。

農地における撹乱かくらんは耕起。土壌を耕起すると微生物は激減する。一度微生物が去ると、一番最初の遷移せんいの段階(stage)に戻り、病気や害虫や雑草の被害に合う。

スライド(17/35)の説明。例えば硬盤。 硬盤層が耕起の機械が掘る深さのところにある。鋤の圧力が土壌を押さえ硬盤層を作る。水が土壌を移動すると硬盤層で水は溜まり、嫌気状態になる。鋤床盤層になる。

嫌気的な箇所で作物の根は死んでしまう。作物の根は、浅いところに閉じ込められてしまう。これを解決するには、微生物を入れること。硬盤層まで入れないといけない。

スライド(20/35)の説明。彼の背丈は、6.5フィート(198.1cm)。ライグラスの根は、3ヶ月で4.5フィート(137.1cm)まで伸びた。取り出すまで、数回刈り、三日前に土壌から掘り出した。根が伸びれば伸びるほど、作物が取り込む栄養素や、水を気にする必要はなくなる。

我々は中東、北アメリカ、モンゴルの砂漠地帯で作業をしたが、もし適切な微生物が土壌にいれば、作物を育て、最高の収量を上げることができることを、明らかにしている。作物を育てられる気候であれば、どこでもできる。

USDA(米国農務省)普及局の役人に「粘土質で何も育てられない。唯一栽培できるのは、バミューダグラス。」と言われた土地に、適切な微生物が入った良質なコンポストを数トン入れ、その地域で生産性の高い草を、数種類育てた。
ぎっしり詰んだ粘土のせいで、硬くて杭を打ち込めなかった土壌を、我々は数週間でコンポストの有機物に含まれた微生物によって土壌構造を作り直した。

質疑応答

秋蒔きの作物について。芽が出ない

我々のやり方では、土壌サンプルを取り、SFI試験場に送り、土壌微生物の評価を頼むことになる。
土壌の様子や、草は生えたのかと言った聞き取りをして、実際に土壌に金属の棒を刺し、硬盤があるか見たいところだが、まずは2、3週間の短い期間のコンポスト作りを勧めたい。ただ、地面が凍っている時期だけは、入れないこと。

ブリックスは有用か

ブリックスは作物から取った葉や茎を絞り、1、2滴を屈折計(refractometer)に落とし、太陽光に反射させて調べるが、光合成がされる時間帯は、結果が高く出るため、米国農務省はブリックスはただの天候測定器だとか、作物が健康かどうかがわかるだけと言っている。
しかしワイン用のぶどうでは、ブリックスはよく使われている。ぶどうは作物の光合成との密接な関係は、それほどない。
同一種類の種を、異なる100人が栽培したところ、できた作物の栄養素濃度は、ブリックスとの関係性は全くなかった。ただ、他の色んな種類の作物についての、ブリックスの有用性について、ないとは言えない。調べないといけないことが、まだたくさんある。

連作について

微生物が土壌にいれば、必要なし。何年も同じ場所に同じ作物を育て続けると、病気になると言われるが、微生物がいれば病気にはならない。また、土壌から特定の栄養が失われるから連作が必要だとも言われるが、全ての作物は全ての栄養素を、大体同じ濃度で必要としている。土壌に微生物がいれば、砂やシルト(沈泥)や粘土や石や小石から取り出すから、それら母材がなくなるまで、養分が無くなることはない。

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