毎日暑い日が続いています。今年初めて温暖化という言葉を何度も、普段の生活の中で耳にしました。
目 次
4月 S農園更新と、たんじゅん交流会
4月はS農園の更新月です。地主さんの家にお金を持っていくと、私の隣が空いたことを伝えられ、そこを借りる気があるかどうか尋ねられました。
突然のことだったので躊躇しましたが、結局、借りることにしました。
隣の農家さんにも「一人でそんなに無理やで。」と言われ、自分でも手に負えなくなる気がしたのですが、新しい区画は土手側に植わっている木と木の間が空いていて、溝掘りができそうなのです。
S農園は傾斜地の一番高い所を借りていて、普通の雨で畝間に水が溜まることはありません(集中豪雨の時は、数分間水たまりができます)。
でも長年、肥料を使っていたためか、土が硬いです。なので微生物が増える環境作り(=空気を入れる=排水をよくする)のために、溝掘りが必要だと思っていました。
4月に農園を見に来てくれた、たんじゅん農のお仲間に話したら「溝を掘る前に、地主さんに言った方がいいよ。」と言われました。
私が溝を掘ることで、下にある田んぼや畑に影響が出るかもしれないからだそうです。
私は管理人さんに言えばよいと思っていたのですが、土地所有者同士の話になるから、地主さんに言わないと駄目なのだそうです。
また地主さんの所に行かないといけないのか。面倒だな〜と思いながら、そのまま日が過ぎ、4月末から溝掘りの準備のため、近くに生えてる笹を刈り、畑に持ち込む作業を始めました(掘った溝に埋めるためです)。
ところで、農園を見に来てくれた、たんじゅん農のお仲間には他にも、高畝を勧められました。私は排水が良くなったら、畝間をなくして、丘みたいにして耕作面積を広げようと思っていました。
基本的に自給のための野菜作りをやってるので、1つの畝に1種類の野菜をずらっと植えるつもりがなく、畝を作る必要性を感じていませんでした。
でも彼によると、まだ土が完全に出来上がってない間は、高畝にして、できるだけ空気が入りやすくした方が、野菜の育ちが良いのだそうです。
それから、私が川に生えてる竹を伐採して持ち込みたいと話したら、そんなことしなくても農園には、ただで造園業者が持ち込んでくれる堆肥があるんだから、それを有効活用すべきだと言われました。
M農園に持ち込まれる堆肥は、造園業者が近くの街路樹や個人の住宅の庭の剪定枝を集めて山で堆肥化したものなのだそうです。
今年の春、ダンプカーで農園に持ち込まれた堆肥は、しばらくの間、高温のために蒸気を上げていました。匂いもきつくて、それで警戒していたのですが、別に嫌な匂いではなかったです。
でも少し変わった刺激臭のする、良い匂いとも言えない匂いだったので(それに、ビニールやプラスチックの欠片、ガムの包み紙とか、小さなゴミも入っていたりします)、畑に入れることを躊躇していたのですが、彼の話を聞いて考えが変わりました。
堆肥の完熟度は分かりませんが、未熟であったとしても材料が剪定枝と雑草なら、あまり心配することはないかと思いました。
ところで、4月から5月にかけて林さんがまた来日されました。今年も一番近くで行われた交流会に2日参加しました。1日目は林さんの話と畑の見学。2日目は心=光の話です。
実際に畑をやっていて、圃場見学の参加回数も増えたせいなのか、今年は現場で勝手に、ここに1つ溝を切った方がいいな、とか、ここの作物の出来は私のところくらいで、まだまだだな、などと分かった気になってる自分がいて、圃場で林さんが口を開くのを、じっと待っていた頃を懐かしく思いました。
でも去年くらいまではそんな感じでした。今回も見学しながら色々教えて頂きましたが、条件の良い圃場とそうでない圃場くらいは、先に見分けられるようになりました。ちなみに今回の圃場は良かったです。
昔は有機や自然農を志す人が借りられる畑は、条件が悪い所が多かったそうです。でも最近は良い所を借りられる人が増えているそうです。担い手がどんどん減っているのでしょう。
林さんに、4年目に入るのに野菜の出来が悪いことを話したら、「4年か・・・。それはなにか理由があるよね?」と言われ、軽く凹みました。
でも参加者の中には「大丈夫。5年くらいかかりますよ〜!」と言ってくれる人もいて、楽しい交流会でした。
うまくいってない理由も、去年末に、たんじゅん農の仲間の畑を見に行って分かりました。有機物の量が全然足りてないのです。排水も十分じゃないかもしれません。
でもM農園が排水工事を行ったのは2016年の1月で、まだ2年が過ぎたところです(S農園は3年経ちましたが)。
最近、先が見えてきて(どうすれば良いか分かった気がする)好奇心がなくなり、以前ほど畑の作業に情熱を感じられなくなりました。
でも、分かったつもりで終わりたくないので、肥料で野菜を育てている人と同じくらい収穫ができるようになるまで続けます。
炭素循環農法、インガム博士の話、大地の再生講座、最近見た動画でも、結局言っていることは「自然の仕組みを理解し、壊さず利用すること。農業の場合、作物と微生物の環境を整えること」だと思います。
それを具体的に行っていくのが難しいです。
5月 溝掘りとカニと、周りのアドバイス
たんじゅん農の交流会にも参加し、頑張ろうという気持ちを新たに、S農園で草刈り作業をしていると、久しぶりに管理人さんを見かけました。そこで溝掘りについて話にいくと、「かまへん。」と言ってくれました。
「20cmくらいか?」と聞かれ、「50cmくらいです。掘った後は、木片や笹などで埋め戻します。」と言うと、少し驚かれていましたが。
地主さんじゃないけど、管理人さんにはOKもらったし。ということで、5月半ば頃から溝掘りを開始しました。
でもアルバイトを初めていたし、暑くて夕方1時間くらいしか作業をしないし、おまけにどでかい石にぶつかり、7月末現在も、まだ終わっていません。でも7月初旬の記録的な長雨の前に掘れて良かったです。
去年から何度か、大地の再生講座にも参加しているのですが、それの影響で、雨の日に畑に行くことが増えました。水の流れ方や水が溜まっている場所をチェックするためです。
S農園の通路には水遣り用に、雨水を貯めるための大きなバケツが並べてあるのですが、私は水遣りはしないので、管理人さんに話して片付けさせてもらうことにしました。
雨の日にバケツに溜まった水をひっくり返そうとしていると、隙間からカニが出てきて驚きました。沢蟹だと思います。畑の下に水が流れていて、水辺に近いせいでしょうか。
土手の草刈りをしている時にも見つけました。味噌汁に入れたら美味しいのかもしれませんが、生活排水や農業排水が流れ込んでいそうな水路なので、そういう気にはなれません。
溝掘りをしていて、とても面白いことが分かりました。土手沿いの、木が植えられている辺りは土が柔らかいのです。伐採されたシュロが生えていた所などは特に柔らかくて、さくさく掘れていきます。スコップで。
あまりにも柔らかで、掘るとがけ崩れが起きそうな気がして、シュロが生えていた所(朽ちたシュロの隣に、また新しいシュロの葉が生えていますが)までで、その先は掘るのを止めました。でもシュロから畑の方に向かうにつれて、どんどん硬くなっていきます。
木が植わっている所から土手側は掘らず、畝間だけ深めに掘っても、それなりに効果がありそうです。
そんなある日の夕暮れ時、知り合いが私の畑を通りかかりました。近況を話しながら、自分が掘った溝を彼女に見せると、「地主さんに断ったん?」と言われました。「いいえ、管理人さんに言いました。」と言うと、
「直接言った方がいいんと違う?(管理人さんが)地主さんにちゃんと伝えるかどうか、分からへんで。」
「駄目とは言わはらへんやろうけど、勝手に溝掘りされたら、嫌やん。もし自分が地主やったら、どう思う?」「○○さん(別の知り合い)も『地主さんには断ったんやろか?』って言うてたよ。」
「そうですね。わかりました。明日、地主さんの所に行ってきます。」
翌日、謝罪とお願いのために地主さんを訪ねました。「そんなに、水はけ悪かったかなあ?」と首をかしげながらも、承諾してくれました。私が溝掘りをしていたことは、まだ誰からも聞いてなかったみたいで良かったです。
知り合いに地主さんに断りに行ったことを伝え、助言に感謝しました。
借りてる農地に地主さんの了解を取らずにビニールハウスを建て、後でもめた人がいた(私の畑の地主さんとは別人だと思いますが)、という話も聞きました。
普段、一人で作業をしているので、たんじゅん農の仲間や、畑をやっている知り合いのアドバイスは、ありがたいです。
6月 野菜の収穫と、肥料の効果
6月は、ジャガイモやニンニク、玉ねぎ、人参の収穫をしたり、新たに種を蒔いたり苗を植えたりしてました。
ジャガイモやニンニクは、できるだけ太らせたいと思って、ギリギリまで置いていたのですが、東京に用事があったついでに、友達に野菜をプレゼントしようと、雨の中、ニンニクを収穫しに行ったところ、外側の皮が溶け始めていて、綺麗な皮が出てくるまで剥いていたら、鱗片まで到達してしまいました。
鱗片は厚皮で覆われているので、バラして渡してもよかったのですが、真っ白い皮に包まれたニンニクを、茎付きであげたかったので、ニンニクの葉先が枯れかかってきた時に収穫すれば良かったと、後悔しました。
去年は、ニンニクの収穫が初めてだったので、出来が気になって結構早いうちに収穫したので気づきませんでした。
考えてみたら、枯れ始める頃には成長も止まっているだろうし、それ以上大きくなることを期待するのは無理があります。
ジャガイモも毎年、収穫が遅れます。M農園のアドバイザーさんに「梅雨前に収穫しないと腐りますよ。」と言われても、のんびり放置してたりします。
腐る芋もありますが、全て腐ることはないし、収穫するのを忘れても、秋に芽が出るからいいかな、と思ってしまうのです。一番いいのは、必要になった時に掘り起こすことです。
今年は紫のジャガイモも作りましたが、皮付きのまま茹でてみたら、粘りがあり、色も薄めで、ちょっとがっかりしました。
試しに残った茹で芋を、くし切りにして揚げてみたところ、色が濃い紫に変化し、外はカラリ、中はホクホクのフライドポテトができて、大満足でした。付け合わせにしてみると、普通のジャガイモより鮮やかで見栄えがします。
M農園では作業の終わりに、必ず堆肥を一輪車で運んで、自分の区画に撒いていました。他の農園利用者は、大きな木片がかなり混ざっている堆肥を、ふるいにかけて、木片を取り除いてから畑に入れていますが、私はそのまま、どかっと入れてます。気になるものだけ取り除きます。
土の中に鋤き込まず、表土の上に乗せていく感じです。すでに作物が植わっているところにはあまり乗せられませんが、収穫が終わった所には、残さに混ぜるようにして土の上に乗せて行きました。
数珠玉は、ベテランアドバイザーさんの予言通り、5月に入るとあちこちで発芽し、梅雨明け後、かなり成長しました。
でも全然困ってません。一般の雑草よりも、野菜と区別が付きやすいので、間違って野菜を刈ってしまうことがなく、またボリュームがあるので、有機物として重宝するからです。
ただ、トウモロコシの苗と見分けるのは難しいです。私が蒔いた、ポップコーンの種は、茎が紫色をしているので判断できますが。
2年前にC区画に生えていたソルゴーも、種を収穫し、たくさん蒔いたのですが、去年、数本しか大きく育ちませんでした。雑草と思って刈ったせいかもしれませんが。
作物が植わっていないA区画の東側には、たんじゅん仲間のアドバイスに従い、堆肥を使って畝を作ってみました。しばらくすると、数珠玉が、堆肥の層を突破して生えてきました。やはりイネ科は強いです。
数珠玉はそのまま生やして、野菜の苗の日当たりや風通しが悪くなった時点で、根元から1、2cmのところをハサミでカットしています。しばらくすると、また生えてきます。
A区画に作った堆肥の畝は、最初、高さがあったのですが、1カ月くらいの間に分解されたのか、7月の終わりには平坦になってきました。浅く耕して、また堆肥を乗せようと思います。
数珠玉はソルゴーよりも太くて柔らかく、マルチにも利用できるので、来年は意図的に通路を中心に蒔こうと思います。
S農園の方は、追加で借りた区画に植えた、トマト、ナス、万願寺唐辛子の成長がすごくて、驚いてます。
前に借りていた方が肥料を使っていたためです(油粕や鶏糞だと思います)。
肥料なしで3年が経った畝の横で、施肥栽培の野菜と同じペースで成長するのを見て、改めて肥料のすごさを実感しました(道法流を真似て、縛ったせいかもしれませんが、肥料の影響が強いと思います)。
トマトはスーパーで売っているものの、倍近くあります。まさか自分の区画でこんな大きな野菜を目にするとは思ってもみませんでした。
でもナスは水不足のせいか、美味しいとは思いませんでした。トマトは美味しかったです。
下葉は枯れてしまっても、トマトが一番水不足に強い気がしました。
7月 異常気象と、秋の計画
7月は異常気象でした。まず雨が1週間続きました。こんなに長い間、雨が降り続いたことがあったでしょうか。止んだと思っても、1時間も経たずに降り出すのです。
雨が降る前日に、何種類かの種を蒔いたのですが、当然結果はよくありませんでした。
そして長雨が終わったと思ったら、今度は酷暑と干ばつです。最初の週の半ばに一度だけ夕立が降りました。やれやれ、と思ったのも束の間、それから2週間以上、一滴も雨が降りませんでした。
S農園に6月に蒔いたレタスは、長雨と酷暑で全滅しました。去年、間引きしないといけないくらいたくさん生えたいた、ルッコラやコリアンダーも今年はまばらです。人参は去年より増えましたが。
台風に期待しましたが思ったほどの雨量はなく、酷暑が戻り、晴天続きの毎日です。
この異常気象は、温暖化が原因のようです。ということは来年も続くかもしれません。路地で野菜を作り続けることに、うっすら危機感を感じます。
台風が過ぎた日とその翌日は、農作業が快適でした。当日の夕方は涼しく、翌日の昼間も30℃は超えていたと思うのですが、それまでの酷暑のせいか暑くはなく、暖かい感じでした。
しかし今月は、畑で作業する時間が本当に少なかったです。酷暑と晴天が続くため、種蒔きを諦めました(夕立が来ないかと、1日に何度も天気予報はチェックしていますが)。それに暑さのせいで、雑草の成長も遅く、やることがあまりないというのもあります。
7月前半、S農園の管理人さんが私の区画の両側の土手の草刈りをしたのですが、あれから2週間以上経ち、台風で雨も降ったのに、未だに雑草が伸びてきません。一部枯れて茶色になったままです。
M農園も同じで、雑草刈りは、いつもの半分以下の労力で足りています。
この暑さでは、夏野菜には期待できず、すでに秋以降のことを考えています。農園周辺の笹や雑草を刈り、今年は秋に、大量の有機物を区画に投入しようと思っています。土壌中に有機物が多いと、水持ちもよくなるそうなので、来年の酷暑対策にもなります。
7月前半は、暑くて明け方しか作業ができませんでした。夏至から1ヶ月が過ぎたせいか、最近は夕方も、風があれば過ごしやすいです。
M農園の堆肥もすっかりなくなりましたが、お盆明けに入るそうなので、お盆明けから忙しくなりそうです。
Comment
こんにちは
炭素資材投入に溝堀と頑張ってますね。溝に詰める資材、結構なボリュームが必要なので、心しておいた方が良いですよ。大雑把にでも計算しておくと計画立てやすいです。
台風被害の復旧作業に、秋冬野菜植付の準備と、作業に追われる毎日。
毎年ブロッコリーとキャベツの苗を知り合いの農家さんからもらうのですが、今年は台風でゴチャゴチャに混ざってしまったらしいので、出来てからのお楽しみ状態になりそうです。
今は少しずつ、資材を集めてるところです。溝に埋める資材の計算はしてないです。行き当たりばったりだと後で後悔するのは分かっているのですが。
台風の被害は私の借りてる農園でも色々ありましたが、私の区画は収穫物がほとんどなかったので影響もほとんどなかったです。
ブロッコリーになるかキャベツになるか、とても楽しそうですね。